全般
ノーベル平和賞受賞者で元カナダ首相のレスター B. ピアソン氏によって1972年にカナダ校は設立されました。カナダ校の生徒の大半は全額、もしくは部分奨学金を貰って通っています。これはピアソン氏の「子供達は人種、性別、貧富、国籍に関わらず平等に学問に取り組むべきだ。」という理念に基づいたものです。
アクセス
東京の成田空港から9時間ほど飛行機に乗るとバンクーバーの空港につきます。そこから飛行機を乗り継ぐと1時間弱ほど、バンクーバーからフェリーに乗ると2時間程でビクトリアに着きます。ビクトリアの空港からは約1時間程でカナダ校に着きます。普段生活に必要なものなどを買う時はバスに40分ほど乗って近くの街にいくか、バスに1時間30分ほど乗ってビクトリアに行きます。
天候や気候
日本人にとってカナダとはとても寒いイメージがありますが、地域によって寒さは異なります。カナダ校がある地域は気温も安定しているため、日本の東京の気温とほとんど変わらず、冬も比較的すごしやすいです。気候に関しては9月〜11月くらいまではほとんど晴れの日が多く過ごしやすいです。11月〜3月位までは反対に雨と曇りの日が多くなります。雪が降るのは冬のとても短い期間だけです。
勉学・特徴的な選択科目
Marine Science (海洋学)
カナダ校が海に囲まれているキャンパスということもあり、この授業は人気の授業の1つです。2年を通して、海の生態系の仕組みや地球温暖化の海に対する影響など幅広い分野を学びます。座学だけでなく、恵まれた立地を活かして実際に海に出て海洋生物を観察したりと実践的な授業もたくさん行います。

Theatre (演劇)
この授業では文字通り演劇について学びます。1年に一度、一年生による演劇会と二年生による演劇会があります。基本的に生徒達はこれに向けて演劇のいろはを学んだり、照明・音響の構成を考えたりします。二年生の演劇ともなると、プロ顔負けの演技力を発揮し、かなりレベルの高い芝居が披露されます。
寮生活
施設
ハウスと呼ばれる寮は4つあります。各ハウスは、各部屋4人ずつ、男子5部屋、女子5部屋で形成されています。各ハウスにハウスペアレンツといわれる寮生活における両親のような存在が住んで面倒を見てくれます。彼らは生徒にとってとても距離が近い関係なので悩み事等は気軽に相談できます。また、1年生の始めの頃等、まだハウスペアレンツと親しくない時等にはルームメイトの2年生に悩み事を相談したりもできます。
ルームメイト
各部屋の生徒の構成はなるべく多様性が保たれるような工夫がされており、違う国・大陸の生徒で構成されるようになっています。
食事
食事は三食とも、食堂で提供されます。時間は朝は7時〜8時、昼は12時〜13時、夜は17時30分〜18時30分、となっています。日本の生活リズムと比べると夜ご飯の時間が早いのが特徴的です。大抵の生徒が午後9時頃になるとお腹が空いてしまうので、生徒運営の売店で食べ物を買うなどして空腹をしのぎます。また三食の他に一時間目と二時間目の間にクッキーブレークと呼ばれるおやつの時間があり、マフィンやクッキーなどを食べる事が出来ます。また朝ご飯を食べ損ねた場合はクッキーブレークの時間に朝ご飯を食べる生徒もいます。
Service(地域奉仕活動)
CASとはIBプログラムの一部で日本で言うと部活動にあたるものです。CASはCreative, Action, Serviceの頭文字で、全てのアクティビティがこの三種類に分けられます。生徒は一年に二つアクティビティを選択肢二年を通して、CASの三つのセクションのアクティビティを網羅しなければいけません。
Creativity
陶芸、ウクライナダンス、ピアソンダンサー、ヨガなどがあり、個々の独自性や発想力を自由に発揮できます。陶芸の竈や台などもあり本格的に陶芸を学べます。また、スピリチュアルセンターという静かでリラックスした施設はヨガにぴったりの場所で、忙しい学校生活の中で人気のあるCASの一つです。
Action
このセクションでは、カヤック、セーリング、ダイビング、ハイキング、カヌーなど様々なアウトドアスポーツを楽しむ事が出来ます。ちなみに筆者はダイビングを選択しました。ダイビングでは週一回ほど海にボートで出て行って、実際にダイビングをします。運がいいとアシカなどに会えるので、アシカと一緒に泳ぐ事も出来ます。筆者のカナダ校での一本目のダイブは運に恵まれアシカとのダイブでした。これは今でも忘れられない思い出の一つとなっています。
Service
このセクションでは様々なボランティア活動の中から1つを選んで1年間活動します。例としては高齢者のお宅を訪問して楽器を演奏したり、キャンパス内の壊れた建物の修繕を行ったりします。
行事
Regional Day
この行事では、世界をいくつかの地域に分け、その地域ごとに週末を使って自分達の文化を紹介します。生徒達の手によって様々なワークショップが催され、食事もその地域の食事を特別に食堂のスタッフの方々が作ってくださり、味わうことが出来ます。また、夜には、その地域の生徒によってショーが開かれ、その地域特有のダンスや歌などが披露されます。世界の他の文化のよさを存分に味わえる素晴らしいイベントです。
One World
One Worldは一年に一回、三月末に開かれるカナダ校最大のイベントです。ビクトリアにある一番大きなホール(1500人規模)を二日間にわたって貸し切り、生徒達がそれぞれの国の踊りや歌などを披露します。このイベントの前になるとオーディションがあったり、リハーサルがあったりとキャンパス全体が忙しい雰囲気に包まれます。その分この行事をやりきったときの達成感もひとしおで、忘れられない思い出となります。
Special Topic Day
一年に三回ほど行われる行事で、この行事の日には授業が無く決められたトピックについて一日中ワークショップやディスカッションなどを行います。トピックの例としては、Sustainability(環境問題等が深刻化する中でどうやって地球環境を保全するか)、Global Citizenship(世界の各所で起こる問題に対して私たちはどう反応し行動するべきか)、Gender(男女だけの性別だけでなく、同性愛者などを含めて性別という考え方に対して向き合う)といったものがあります。
Global Affairs & Village Meeting
この二つの行事は毎週火曜日の放課後に交互に行われます。Global Affairsでは毎回一つの国際問題についてゲストスピーカーを招きプレゼンテーションを行ってもらい、その後ディスカッションをするというものです。Village Meetingでは全生徒、全教員があつまりキャンパス全体への連絡事項を伝えたり、キャンパス内の問題について議論したりします。